王様監禁ゲーム。

あたしたちは洒落た喫茶店に入って、少し話した。


色々他愛もない話をして、盛り上がってるとき、あたしはある質問をした。


「ねぇ、変なこと聞いちゃうんだけど。喜一君って、あたしと付き合う前って、彼女いたんだよね?」


「うん」


「なんで、別れたの?」

直球すぎるかな?

そう思ったけど、ずっと気になってたこと。


喜一君は黙ったまま。

やっぱ、聞いちゃ駄目だよね。


「ごめんね、忘れてね」

「気持ちのすれ違いかな」


下を向いたと思えば、喜一君は上を向いて、明るく笑った。


「ほら、価値観とかが違ったんだ」

そっか。

よくそれで別れる人いるもんな……


あたしは特に疑問に思わなかった。


「凛は、違うよね?」

「え?」

「ずっと、俺のそばにいてくれるよね。というか、いてね」


最後の命令形は、あたしにとって嬉しいことだった。

あたしだって、ずっとそばにいたい。



「うん、もちろん」


これは、本音だった。

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