王様監禁ゲーム。

シャー―――――――


温かい水が体を伝っていく。

同じシャワーでも、場所が違うだけでこんなに気持ちいいんだ。


親友がいてよかった。

困ったときや、悲しいとき、杏に助けてもらってばっかだったなー……


あたしも、恩返ししないと。




シャワーが終わり、着替えてリビングへ向かった。

「杏、シャワーありがとう」

「全然いいよ。警察に全部話したから、すぐ来るって」


あたしは、安心したように頷いた。

警察が来たら、色々聞かれるんだよね……


嫌だな。

思い出したくもない。


あんなもの。

脳裏に今まで起こったことがフラッシュバックする。


「………っ」

苦しさで立っていられなくなり、床に手をついた。

「凛っ??」

杏が急いで駆け寄って来て、背中を摩る。



「ごめんね……」

「ううん」


これからも、こんな日が続くのかな。

思い出す度に酷い吐き気。



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