僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ


凪と、彗と、祠稀と、あたし。

同居を始めてまだ数ヶ月。


バラバラの個性を持つあたしたちが惹き合うのはなぜなのか、分からないけれど。バラバラだからこそ、惹かれ合うのかな。


自分にはない面を持っているから、惹かれるのかもしれない。


知らないからこそ、知りたい。

分からないからこそ、分かりたい。


そんな欲望にも羨望にも似た感情を、あたしは持ってる。



「さーって帰りましょうかー!」

「こいつ等どーすんの?」

「……置いてく」



知りたいから、分かりたいから、もっと一緒にいたい。


笑って泣いて怒って、助けて助けられて、支えて支えられながら。


繋いでいければいい。

断ち切れない絆を。



この先どんなことがあっても、繋いでいける、絆を。



< 567 / 641 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop