僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ
「ふつう。金茶の髪と赤茶の髪した、どこにでもいそうな感じだよ」
『あはっ! そうなんだ? ……ふぅん、そう。うまくやってけそう?』
「質問多いっつーの」
寝起きでそんなガンガン質問されても頭回んねぇよ。つうか俺の質問はスルーか。
『だって気になるじゃん。祠稀と住むなんて、大変そう』
「物好きの間違いだろ」
『どうせ相容れないんだから、いいんじゃない?』
フーッと紫煙を吐いて、言われたことの意味を考えたけど面倒になってやめた。
「まあ、モメないくらいには仲良くやるし」
『できるよ、祠稀なら絶対』
「……」
はっきりと強い言葉には、俺に対する信頼とか尊敬とか、そんな類のモノが含まれてるのは知ってる。
だけどそんなもの俺には似合わなすぎて、背中が痒くなった。