7月7日、逢いたくて


そんなあたしに、すっかり置き去りにされたおきちゃんが、話に割って入る。



「彼方さんに、ちゃんと伝えて来るんですよ?帰って来ても織葉さんが戻って来る場所はありませんからねーっ!」


そうなのだ。

あたしは昨日で、三島プラネタリウムを辞めて。


育児も落ち着いたつぐみさんがあたしの代わりにまた受付に立つらしい。



あたしは、うん、と頷くと

「ありがとう、おきちゃん。」

そう言って笑顔で答えた。




「あーぁ。あたしも好きだったのになぁ、彼方さん。」

「あれ?沖南ちゃん彼氏出来たんじゃなかった?」

「そうなんですけど、彼ってば仕事が忙しいみたいで全然構ってくれないんですよねぇ。」


ふて腐れながら言うおきちゃんに、つぐみさんと二人で笑う。



でも、楽しい時間は過ぎるのも早いもので、空港に流れたアナウンスがあたしたちの会話を遮った。


それを聞き、あたしはカバンを持ち上げる。



「行ってらっしゃい。」

と、つぐみさん。



「帰って来る時はお土産よろしくお願いします!」

続けておきちゃん。



あたしは二人に頭を下げて言った。




「――行って来ます。」




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