7月7日、逢いたくて


…………


『本日はホノルル便にご搭乗いただき、まことにありがとうございます。
当機は東京成田空港を出発いたしまして…』


機内に流れるアナウンスを、ぼんやりとした頭で聞き流す。


胃が浮くようなこの感覚は、何度乗っても慣れない。
窓の外は、真っ白な雲の中。

まるで雲を切るように飛行してゆく様を、あたしはぼんやりと眺める。




―――想うのは、彼方の事。


飛行機に乗っても
まだ、実感は湧かなかった。

もちろん、不安がない訳じゃない。




今更会いに行ったとしても

彼方が今もあたしを想ってくれてるとは限らないし


受け止めてもらえるとも思ってなかった。




…でも、気持ちは止められなくて。




到着するまで8時間もあるのに

逸る気持ちが抑えきれなくて
寝る事すら出来ないあたしは遠足前の小学生か。



そのくせ、目を開けていると時間ばかり気にしてしまう。

だから仕方なく瞼を閉じた。





…もうすぐ、七夕。


今年こそ、あたしの願いは叶うだろうか。




ねぇ、彼方。


あなたは七夕に、何を祈るの?






< 107 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop