7月7日、逢いたくて


ストレートに、何も前置きもなく彼方は尋ねて来た。


当たり前と言えば当たり前なのだが、あまりに唐突すぎて言葉に詰まってしまう。

まだ頭の整理がつかず
「…え、っと、」なんて言いながら目を泳がせるあたし。


もう、一体あたしは何をしに来たんだ。

改めて自分が嫌になる。


頭上には、満天の星。
隣には愛しい存在。



これ以上のタイミングなんてないはずなのに、浮かぶのはくだらない言葉ばかり。


“ちょっと観光に…”

“星が見たくて…”

とか、主旨に反する答えだけが思考を埋めてゆく。



そんな時
黙り込むあたしを見兼ねてか、彼方は話を切り替えた。



「そういや、上手くいってんの?」

「…え?」

「とぼけなくたっていいっての。ほらあの人…何て言ったっけ、」

ああ、と思い出したように彼方は続けて言う。



「天塚さん、だっけ?」

star letterの差出人、そう言いながらあたしに向けられた彼方の視線。


その笑顔に、あたしは更に何も言えなくなってしまった。



だって、star letterは。



あのハガキは………。






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