ドラゴン・テイル【外伝】

『海ってのは、その湖を半端無く巨大化させたようなものだ。湖なら、どんなにでかくても俺の翼で丸一日飛べば必ず端にたどり着けるけどな。海は無理。それくらいでかいんだ』

 大雑把なヴァルザックの説明を頭の中で形にしようとイメージするが、よく分からない。
 そもそも「俺の翼で」と言われても、速度を自在に操るドラゴンの飛行速度など全く想像出来ない。

 ─まぁ、おそらく対岸が見えないくらいとでも言いたいんだろうな。

 自己解釈し、「すごいな」とだけ返す。

『この川も、海まで繋がってるんだ。海に着く前にグレイクレイに着くけどな』

 いつか、見に行って見ると良い。

 背中越しにそう言うヴァルザックが、不意に言葉を続けた。

『……ッチィ! やっかいなのが居るな』

 ヴァルザックの声につられてウルが前方へ視線を向けると、そこには飛行するヴァルザックと同じ高度に停滞する赤い物体があった。

「…何だ…?」

 近づいて行くにつれて、その物体の形がヴァルザックとそっくりなことに気づく。

『レッドドラゴンだ……』

 ドラゴン……。

 思わず、ヴァルザックと交互に見る。

「……危険か…?」

 口から漏れる問いに、ヴァルザックは首を小さく傾けた。

『さぁな。ドラゴンは知能生物だ。
 人間達のように良い奴もいれば、そうでない奴もいる。
 ただ……』

「ただ…?」

 口をつぐんだヴァルザックの言葉を促すように言うウル。

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