ドラゴン・テイル【外伝】
『ただ…、火属性の連中は自己中で気性が荒く頑固者が多いんだ。気をつけとけ』
そう言いながら、レッドドラゴンに近づくにつれて速度を落とすヴァルザック。
レッドドラゴンは、近づいてる蒼い同胞をじっと見つめていた。
『よう、青いの。美味そうなの持ってるじゃねぇか』
ゆっくりと近づいて来たヴァルザックにレッドドラゴンが声をかけた。
『こいつは届けものだ。餌じゃない』
顔は向けず、視線だけを送って答える。
─餌って……。
ドラゴンって人肉も食うのか……?
そんなことを思いつつ、ヴァルザックの返答に小さく胸を撫で下ろすウル。
そんなヴァルザックに、レッドドラゴンが大袈裟に驚いたように両腕を広げた。
『おいおい、初対面でそんなに素っ気ない返事すること無いだろ?』
『それはすまなかったな。だが、こっちとしては少々先を急ぐ旅なんだ。
通してもらいたいんだが』
じわじわと前方に進むヴァルザックの前に、その進路を遮るようにスッと割り込むレッドドラゴン。
『そう言うなよ。お前だって本当はそいつを喰いたいんだろ?』
レッドドラゴンの言葉に、思わずギョッとした顔でヴァルザックに視線を落とす。
そんなウルの動作に気付いたのか、呆れたようにヴァルザックが小さく息を吐いて答えた。
『なわけないだろ。喰うならとっくの昔に喰ってる。俺は草食なんだ』
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