ドラゴン・テイル【外伝】

「ほら、こんなうぇぇッ!」

 何かを言いかけ、ウルと同じように口に入れた果実を吐き出す。

「何だこりゃ! っくー…舌が痺れる…」

 ぺっぺっと舌を出すヴァルザックに、ウルは冷たい視線を送った。

 そのウルの視線に、ヴァルザックが肩を落とす。

「そう睨むなよ…。いやホント、俺が食ったのは美味かったんだって。
 違う実を持ってきたのかな……。同じ物だと思ったんだが……」

 納得がいかないと言うように、眉間に皺を寄せてブツブツと呟くヴァルザックを見つめて、ウルは小さく首を振った。

 ─まぁ、悪気があったわけじゃなさそうだしな…。
 

「いいよ。
 とりあえず、まともな飯が食いたい」

 ウルの言葉に、「そうだな」と頷き、再び短剣を手に取るヴァルザック。

 ウルは、川辺でいくつかの小石を拾い集めて小さな囲いを作ると、そこに火の魔法を放った。

 何の可燃材料も無い中で、ボゥッという音と共に燃え上がる炎を見て、ヴァルザックが目を見開く。

「自分の意志で魔法を出せるのか?」

 驚くヴァルザックに、小さく頷くウル。

「基礎魔法程度なら、一般人でも使える。魔力ってのは誰でも持ってるものだろ。
 その大きさが人それぞれで違って、コントロールが極端に難しいだけで……」

 言ってから、ウルは自分の言葉に驚いた表情を浮かべた。

「……何で俺がそんな事知ってるんだ?」

「いや、それ聞くの俺の方じゃねぇ?」

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