コピー
山口先生は続ける。
「となると、君がコピーであることを知っていたと言うことか?
まあ、その人は、私の立場であれば会おうと思えば簡単に会えるような人物だから、考えるより聞いた方が早いな。
今からでも聞きに行きたいところなのだが…
君を連れて外に出るのは危険だ。
君がこの世界のことを全く知らない可能性があるからな。
だから、予告通り質問でもしようか。」
山口先生はそう意気込んだが、僕のお腹がグウと鳴った。
「ああ、悪かったな、君の食事のことをすっかり忘れていた。
今から買って来てもいいんだが…」
山口先生は僕の顔を見る。
「ここにまた独りで残るのは不安だろ?
この研究室でも食事を作ることは出来るから、作ってやってもいい。
だが、ちとまずいぞ。
どっちがいい?」
そりゃ、勿論後者ですよ。
何せバレたら死なのですから。