続きは、社長室で。
砂利を踏みしめて、お店へと到着した。
威風堂々とした佇まいの、外観と庭園。
ここは古くから、東条家が贔屓にしているお店。
歴史を感じさせつつ、洗練された印象を受ける。
まさに、温故知新という言葉がピッタリ。
私が来るのは、これで5度目になる――
「ごゆっくり、お寛ぎ下さいませ――」
パタン――
女将さんの恭しい挨拶で、襖の戸が閉められた。
「・・・・・」
席についても、もちろん会話はナイ。
ふわりと鼻腔を掠める、アノ香りが届くだけ。
このホワイトムスクが、私を惑わせるのに・・・
先ほどまで、壊れそうなほど熱を帯びていた身体。
その原因が、隣に居るというだけで。
また、ドキドキと鼓動は高鳴る。
商談相手が見えるまで、また苦痛な時間の始まり――