レインブルー


「なあなあ。最近七瀬先生休んでるけど一体どうしたんだろうな」


放課になって、クロと一緒にいるところを話しかけてきたのはクラスメートの竹内晃(タケウチアキラ)だ。

校則違反のオレンジ坊主頭に剃り込み。

鼻ピアスと首元にある蝶のタトゥーが彼のトレードマークで、学校一の不良といってもよかった。

あたしはアキラとそれほど仲が良いわけではなかったけれど、クロとアキラは同じサーフィンの趣味を持つ間柄だった。


「そんなこと俺に聞かれても分かんねえよ」


クロは平然を装って答えていた。


「でも三週間も休んでるってことは何かあったべ。藤木の野郎に聞いても知らんフリだしよ。マジ調子乗ってんよ、あいつ」


そう吐き捨てながら、アキラは廊下で生徒に注意していた藤木先生の背中に向けて中指を立てた。

そう言えばアキラは七瀬先生のちょっとしたファンだ。

なんでも七瀬先生が女神様のように見えるだとかなんとか。
< 78 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop