レインブルー

「涼子」


黒井は教室に戻ってきた篠田の手をとると、そのままどこかへ行ってしまった。

あちゃー、と俺は頭を抱える。


「言うんじゃなかったな」


責任を感じた俺は慌てて黒井と篠田の後を追うが、教室から少し離れたところにある非常階段の踊り場で二人は話し込んでいた。


「斎藤と付き合ってるってどういうことだよ」


ドアの窓越しに黒井の影が見える。

篠田を責める黒井の口調は怒りさえ感じられた。

黒井が怒るのも無理はねえ。

なにせ斎藤は妻子持ちにも関わらず、これまで生徒と関係を持ったという噂は数知れず。

好きな女がもて遊ばれているのは許せないんだろう。

それにしても、あいつ本当に何も知らなかったんだな。

後悔の嵐が襲ってくる。

しかしそれも束の間のことですぐに消え去った。

黒井には悪いがこれでよかったんだと思う。

二人がずっと一緒にいるのになかなかくっつかなかったのがもどかしく感じていた俺としては待ち望んでいたこの展開がやっときたという感じだった。
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