【子供に読み聞かせたくない童話】かなしいピエロ
ステージのまんなかにいたのは、だんちょうとしょうじょのふたり。

ふたりはだきしめあい、キスをしていました。

そしてフガフガわらいながら、だんちょうはしょうじょの“むね”へてをのばしました。

「あん…。もう…」

「おい、ずいぶんねっしんにピエロのそばにいるな」

「あら、やいてるの?」

「…やいてなんかないさ。ただ、ピエロがおまえのことをすきになっちまうんじゃないかって」

「じょうだんいわないでよ。あんなどんくさいひとに、きょうみはないわ」

ピエロくんはそのことばをきいて、いしのようにかたまってしまいました。
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