【子供に読み聞かせたくない童話】かなしいピエロ
「じゃあ、どうしてあんないっしょうけんめいになれるんだおまえは。あ?」

だんちょうのてつきは、ますますいやらしくなります。

「んっ…! …いや、かわいそうじゃない、かれ。あんな“かわいそうな”ひとといっしょのステージにたちたくないだけだわ」

「でも、つなわたりはおまえのだいじな“げい”じゃないか」

「ねぇ、あたらしい“げい”をおしえてよ。てとりあしとり…。うっ!」

「はっはっは。そうかそうか。じゃあ、こんやはかえれないな…!」

だんちょうのては、しょうじょのかはんしんにむかいました。

「あっ…!! …ふふふ、もう、いやらしいひとね…」

「………」

ピエロくんは、ゆっくりとカーテンをしめました。
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