愛玩舞姫〜妖艶な微笑み〜


「失礼いたします」


そう言って襖が開き、その男の姿が見えた。



姿を見た時、一瞬心臓が止まるかと思った。


あまりにも…美しすぎる男だった。


少しクセっ毛の黒髪に、天然物と分かる青よりも深い藍色のハイライトが入っている。


瞳は髪に似た、吸い込まれるかのような青。


鼻も唇も完璧すぎるくらいととのっている。


そして服の上からでも分かる、鍛えられた筋肉は、一流貴族の象徴の紋章が付いた民族服に包まれていた。



その姿は堂々としていて、嫌味ではない気品に溢れていた。
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