涙恋~RUIRENの魔法~
「かわいそう先生・・・・・」

「俺の力不足の一言だな。」


「亜恋ちゃん、大きくなったな。
なかなかゆっくり話すヒマもないから・・・・・
俺の記憶にある亜恋ちゃんは
まだまだ赤ちゃんだったな。」


「赤ちゃん?
先生がやめちゃったのは
中1だよ?失礼な~」


「ごめん、ごめん~」
先生が笑った。
笑った顔が、すごく可愛い~


「先生がやめちゃって
がっかりしたんだよ。
立ち直れなかった・・・・・・」

「まじ?ごめんな~
教員免許取りたかったからさ~
俺ね、亜恋ちゃんのおかげで
将来を見つけたんだよ。」


「私?」


「亜恋ちゃんが一生懸命算数やってくれて
問題が解けた時にする
笑顔が俺に自信をもたせてくれたんだ。
自分が教えて
亜恋ちゃんが問題を解いて
俺が赤で丸を書いたら
本当にとろけそうな笑顔だったんだ。
先生になりたい・・・・・
そう思うようになった。」


「今の先生見てたら
それは正解だった?
苦しくてしんどそうなんだけど・・・・・」


「ははは・・・・
わかっちゃうから
俺ってだめなんだな~
しんどいなんて生徒に思われちゃうなんて
情けない~」


  生徒の目でなんか見てないわ
  先生が好きなの・・・・・



「しんどい・・・・・
毎日毎日・・・自信がなくなって行くんだ。
教師に向かなかったんだろうかって
毎日思うよ。
自信が増えることはないのに
減ることばっかりで
落ち込むよ。」
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