涙恋~RUIRENの魔法~
「おかあさん、すごく心配してたんだよ。
帰ったら謝りなさい。」

「はい・・・・ありがとうございます。」


「何か食べて帰ろう。」

先生が歩き出した。

「直樹に聞いたんでしょう・・・・」

「・・・・俺は男だから・・・・
あまりいい相談には乗れないかもしれないけど
本当はおかあさんに話して
病院とかにいったほうがいいかもしれない・・・・」

「話せないよ・・・・」

「忘れよう、それが一番いいよ・・・・」
先生は目を伏せた。


「忘れられないもん・・・・
誰のせいでもなくて自分がバカで・・・・
情けない・・・・悔しい・・・・・」

涙が溢れ出した。


「でも、前見て歩かなきゃ・・・・・」

先生が手を差し出した。

「私は汚れてしまった・・・・・
どこの誰だかわからない男に・・・・
大事なもの・・・・
罰があたったんだ・・・・・」

「なんの罰?」
先生が聞いた。


答えられない・・・・・・

暗闇が濃くなった。
闇に消えてしまいたい

そう思った。
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