涙恋~RUIRENの魔法~
「ずっと悩んでやっときめたのに
彼にまたネクタイしめて
もらいたかったの。
これさえもあげられなくて
情けない・・・・・・・でしょ?
あなたくらいの若さがあれば
もしかしたら跳ね返せたかもしれない
でも・・・・
私は若くないから
きっと・・・・立ち直れない・・・・・」

涙が流れた。


「ネクタイなんか
もうすることもないんだろーなって
みんなのスーツ姿見ながらつぶやいた。
それが最初は
心の折れた台詞だと思っていたのに
彼の人生そのものだった・・・・・
なんで・・・・
彼が・・・・・いなくなる・・・・なんて・・・・
考えてもいなかった・・・・・・
この世から・・・・
消える日が近いなんて・・・・・
あんなに悲しい顔で
我慢しきった顔のまま・・・・・
終わらせていいのかって・・・・・・
それが罪の報いだなって・・・・・
もう報いはいっぱい受けているのに・・・・・」



その人の言葉が
私の胸を刺した・・・・・・・
見も知らずの人・・・・そのひとの
深い悲しみが
何故か・・・・・・
私の心に響いた・・・・・


  この人の好きな人は
  死んでしまうんだ・・・・・・

  夢も希望も失ったまま
  死ぬのをまっている・・・・・・


悲しい人を
抱きしめてあげられなかったんだ・・・・・・・

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