涙恋~RUIRENの魔法~
心に突き刺さるナイフ
泣きながら走っていたら
携帯電話を家に置いて行ったのを
思い出した。


  情けない

結局家に戻らないといけないのか・・・・


くつをはくとき
玄関にカバンをおいてきてしまった。
後悔と
情けなさと

またあの空間に戻らなければいけないという
屈辱に耐えられなかった。


あの携帯が見つかったら・・・・


もう泣きながら戻るしか道が
なかった。



「亜恋・・・・」


自転車に乗った愛斗が家の方向から
走ってきた。


「情けない・・・・とこ
見られちゃった・・・・」


「大丈夫なのか?」


「ううん・・・・・
もう家に帰りたくないのに・・・
忘れ物したんだ・・・・
死にたいくらい情けない・・・・・」


「亜恋・・・・・」




「もう・・・・
耐えられない・・・・
どうして一人で生きられないんだろう」



「おまえ・・・・
回りが見えなくなってるんだよ。
もっとうまくやればいいのに・・・・」

「時間がないの・・・・・」



「何が?」



「いつ・・・・・
ユウが私の前から消えてしまうのか
こうしてる間でも
ユウのカウントダウンが止まらない。
だから少しでも一緒にいたいの・・・・」
< 276 / 441 >

この作品をシェア

pagetop