涙恋~RUIRENの魔法~
「ユウの名前は誰がつけたの?」


「?母さんだよ。なぜ?」


「素敵な名前・・・・・
何度呼んだだろう・・・・・
ユウ・・・・ユウくん・・・・・・
これからも何度も呼ぶわ・・・・・・・」



「だめだよ、俺がいなくなっても
いつまでも呼ぶな。
やすらかに暮らせないだろう?」


優は笑った。


「だけど・・・・ほんとは俺
いつまでも呼んでほしかったりする。
この唇がいつか
違う男の名前を口にするって
考えただけで嫉妬の嵐・・・・・・・」



「ほんと?
嫉妬してくれる?」


「するよ。
俺心ちっちゃいだろ?
これは、本音。
でも男としては、本音は語らない・・・・・」


優は私を抱きしめた。


「ユウ・・・・・
お母さんに連絡しよう?」


「だめだよ。
たくさん心配かけてきたから・・・・・・
それに亜恋も傷つけるかも知れない・・・・」



「親だもん。
自分の子供の幸せ一番だもん。
でもユウも私も愛しあってる気持ちが
わかってもらえたら
きっと喜んでくれるよ。
だから・・・・・連絡しよう?」



優は返事をしなかった・・・・・・・・




その夜
優は、たいへんな苦しみようだった。
私は優の背中を必死に撫ぜた。


何もしてあげられないことを
悔みながら
今できることは
優の背中をさすることしかなかった。
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