涙恋~RUIRENの魔法~
朝日の射す部屋
私は声を出して
子供のように泣いた。


「バカ・・・一人で・・・
勝手にすす・・・めるから・・・・」


「おいで・・・・
亜恋・・・・・・」


優の広げた腕の中に飛び込んだ。


「幸せだな~
こんなに命の終わる瞬間に
愛にあふれているなんて・・・・・・
俺は、真剣に愛されていた・・・・・
俺も、命かけて愛してきた・・・・
つらかったこといっぱいだったよね。
こんなふうにいられることが
俺が死ぬことより
亜恋と一緒にこうしていられる方が
俺にとっては奇跡なんだ。」


「ユウ・・・・・
ユウがいなくなったら
私また…人を愛せるかしら・・・・・・
こんなに愛せるかしら.・・・・・・」



「亜恋には言いたいことが
たくさんで・・・・・
何を伝えたらいいのか・・・・
でも・・・・・
一番いいたいことが二つ。」


優は私の顎を上に向けた。


「愛してくれて・・・・ありがとう・・・・
それから
俺がいなくなっても
幸せに生きてくれ・・・・・・・・」



優の目からも
ポロポロと涙がこぼれ落ちる。




朝日が窓から入って
部屋を真赤に染めた。


「もうここには戻れない・・・・・・
最後の朝日・・・・・」


そう言って
私から洋服を一枚一枚脱がしていく。



私の体が真っ赤に染まった・・・・・・



「夕日もきれいだけど・・・・
朝日はもっときれいだ・・・・・・」



そう言って私を見つめた。


「夕日は一日の疲れを
とってくれる癒しの赤・・・・・」


優は私を抱きしめた。
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