涙恋~RUIRENの魔法~
飛び出した外は吹雪だったけれど
今日会わなければ
そんな気持ちが私を走らせる。


ホテルは街外れにあった。


見上げる12階・・・・・・・
雪を一生懸命ほろって
愛斗の部屋のチャイムを押した。


「はい・・・・・」


「あ・・・・・」
声を聞けた安堵感で
涙で声がつまった。


ハックシュン・・・・・・
ハクッシュン・・・・・


二度くしゃみをした。


「誰?」


しぶしぶ愛斗がドアを開けた。




私はドアから強引に部屋に入り込んで
愛斗の胸に飛び込んだ。



「亜恋・・・・?どうしてここ・・・・・・」



「バカ・・・・なんで・・・・
でも・・・・ごめんなさい・・・・
さきに・・・・・ごめんなさい・・・・」



「亜恋・・・・・・」



「ずっと、ずっと・・・・・
謝りたくって・・・・・・
でもなかなか言い出せなくて・・・・・
安心してたの・・・・私たちには
たくさん時間があるって・・・・・・・」



「ごめん・・・・・
俺もあの日・・・・・・ごめん・・・・
嫌われた気がして・・・・
怖かったから…亜恋に拒否されるのが・・・・」



「こんな時にごめんね。
夢を捕まえにいくのに・・・・
だけど・・・・
話しないと、きっと後悔するから・・・・
こんなとこまで
押しかけてごめんなさい・・・・・」



もう言葉は何もいらなかった。


私の冷たくなった頬に
愛斗が頬ずりをした。

「つめてー・・・・・
こんな天気なのに走ってきたのか?
心臓がドキドキいってる・・・・」



「会いたかったの・・・・・・
ドキドキしてるのは
愛斗に抱き締めてもらってるから・・・・・」



もう・・・・・
迷わない・・・・・・・


愛斗は私の冷えた手にキスをした。


愛斗とひとつになりたい・・・・・・


「抱いて・・・・・・・・」

愛斗の目を見つめた。
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