涙恋~RUIRENの魔法~
その時こえがした。


「成見か?」


「あ、コーチ?」

「彼女か?」


「や・・・まぁ・・・」
そう言って照れた。


「俺の中学の時の
トレセンのコーチなんだ。」


「成見、全国いけるといいな~
おまえのゆめだろう?
向こうでしっかりアピールしてこいよ。
それだけの力も素質もあるんだからな~
時間あるなら、ちょっと指導して行ってくれ~
彼女、30分くらいいいかい?」


「どうぞ、どうぞ~」

私は愛斗の背中を押した。

愛斗は「ごめん!!」と言って
グランドに出ていった。


中学生に交りボールを蹴る愛斗は
楽しそうだった。



昔、優とデートした時
同じようなことがあった。

ちょっと落ち込んだりスランプな時は
少し小さい子の
サッカーみせてもらえばいい。
あの頃に帰ってげんきになれると
優が言っていたのを思い出したから



愛斗はもう大丈夫だ


ボールを蹴りあげる愛斗が
夕日に輝いた。



私は、愛斗に見とれていた。


愛斗だけを
見れたらどんなに幸せだろう・・・・・・

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