【企】君の手をずっと。
そして、夏休み目前の
終業式の日がやってきたーー
やっと明日から夏休み。
高校生活最後の夏休みがやってくる。
式が終わって、先生が戻って来るまでの間、教室で友達とワイワイ話す。
そこへ、ダッシュで駆け寄ってくる久美の姿が。
「美月ーっ!!大変だよ!」
「どうしたの、慌てて。明日から夏休みってのが嬉しいのは一緒だけどさー」
あたしは笑った。
「そんなこと言ってる場合じゃないよ美月。
智也くん、夏休みからアメリカに行くんだって」
「え?」
う、うそでしょ?
なんの冗談?
「ちょっと、冗談やめてよ。びっくりするじゃん」
「冗談じゃない。本当だよ」
真剣な彼女の目。
ああ、本当なんだ。
冗談でもなんでもなく。
一気に、笑えなくなった。
夏休みから?
卒業してからかと思ってた。
突然すぎるよ、こんな知らせ。
ああ、頭がくらくらする。
あたしの意識はそこで途絶えた。