【企】君の手をずっと。





そんな不安を抱えながら過ごしていた日々。

あたしの不安を更に煽るような出来事がやってきた。



それはお昼休みの事ーー

いつものように友達とワイワイ話しながらお弁当を食べる。



その時、いつも一緒のメンバーの1人、久美が言った。

「そういえばさ、智也くんアメリカの大学に行くってほんと?」


「え?」


一瞬、時が止まった気がして。

力が抜けちゃって、
大好きなミニトマトが床に転がり落ちた。


「ちょ、大丈夫??」

みんなが、心配の表情であたしを見つめる。


「もしかして、智也くんから聞いてないの?」


久美の問いかけに対しても、
すぐに言葉を発することができなかった。

頭が真っ白になる。







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