【企】君の手をずっと。



向かった先は、智也がいるクラスの教室。

あたしはA組で、智也はE組だから教室が離れている。


なんでこんな時に教室が離れてるのよ。

そう思いながら走った。




「智也っ!」

あたしは勢い良くドアを開けた。

そして、視界に入った大好きな彼。


見ると、智也は楽しそうに友達と話していた。

呑気に笑って話している姿が余計にイライラした。



「智也くん、びっくりしたよいきなり。
何か寂しい~」

そう言って智也にしがみつく女がいた。




その女の子は、知ってたんだ。

あたしは、たった今知ったのに。

あたしの方が、智也に近いのに。



心の中に溢れるモヤモヤ。


ムカつく。

ムカつく。







< 7 / 22 >

この作品をシェア

pagetop