【企】君の手をずっと。
向かった先は、智也がいるクラスの教室。
あたしはA組で、智也はE組だから教室が離れている。
なんでこんな時に教室が離れてるのよ。
そう思いながら走った。
「智也っ!」
あたしは勢い良くドアを開けた。
そして、視界に入った大好きな彼。
見ると、智也は楽しそうに友達と話していた。
呑気に笑って話している姿が余計にイライラした。
「智也くん、びっくりしたよいきなり。
何か寂しい~」
そう言って智也にしがみつく女がいた。
その女の子は、知ってたんだ。
あたしは、たった今知ったのに。
あたしの方が、智也に近いのに。
心の中に溢れるモヤモヤ。
ムカつく。
ムカつく。