恋の破片(カケラ)~ラブ&ピース~
先輩達が私と所長がどうするか、賭けをしていて、

「寿司がかかってるんだから言いなさい。」

と、言ったけど、百合はそれもやりきれなくて、言わなかった。

どんな思いで一晩過ごしたか、そんな賭けなんかの為に言いたくはなかった。

帰りの車で、皆が所長の助手席に座れと言ってくれたが、例によって百合を呼び出した女性が百合を突き飛ばして座った。

座りたかった。

隣にいたかった。

でも恥ずかしくてできなかった。

悲しくて心で一杯泣いた。
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