Rainy-Rainy
嫌でも、自分のした事を理解させられる。

理解しても何回も何回も、理解の上塗りをしてくる。


不甲斐なさに震える手の中で、携帯がビキリと軋みを上げた。

分かってるんや。

静香は悪ない。

こんなウチらの為に笑えんのを我慢して、無理矢理笑ってくれてるんや。


「阿呆桂、ほんま阿呆や。何で大人しく騙されたままにしとかんねん」


静香のあの笑顔はホンマもんやて、阿呆みたいに騙されてるフリしとったら幸せなんや。

ウチらも静香も。


「返す言葉もない」

「っ……ヘタレが。もうええわ」


こんな腑抜け、相手にしてられるか。

男のくせにウジウジ悩みよってからに。


にしても、静香遅いな。

そろそろ行かな、流石に間に合わへんで。

携帯の通話を押して、静香に電話を掛ける。





……出ない。

着替え中?

それともトイレ?


無情に鳴り響く呼び出し音に、何や……嫌な予感がよぎった。

首の裏がチリチリする。


「どうだ?」

「アカンわ。アイツ、何してんねん」
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