NOEL(ノエル)

ミルクはその言葉に軽く頷くと、カツカツと女性のデスクに歩み寄り、出力してきた文書を真直ぐに差し出した。

「ええ、Mrs.フローラ。 その件で参りました。

渡航まであと三週間というこの時期に、突然研修が無期延期になったというのは納得がいきません。

NANOとの国交の悪化は、なにも今始まったことではありません。

むしろそういう今だからこそ、その情勢を的確に把握し、国交改善に向けての案を模索するべきなのではないでしょうか。」

白髪の女性は表情を崩さずに答える。

「あなたの気持ちはよく分かりますよ。Miss ミルク・ロウ。

そして、後ろにいる二人が今までに提出したレポートからも、今回の研修に対するモチベーションの高さが今までの生徒以上だと感じていました。」

「だったらなんで・・・」

ビルの言葉を軽く押さえるように右の手のひらを向けて、女性は続ける。

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