恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
「その手書きのアドレス書いた名刺もらうのに、お客さんたち、いったい何度お店に足しげく通わなくちゃいけないことか。イチゴ、アンタ、ホントにシアワセ者よォ」
“ふぅん、このアドにメール送ったら、ナンバー1ホストのミュウトと直(ちょく)でメールができるんだァ”
……なんてことを思いながら名刺に書かれた手書きのメアドを見つめていると、突然、ミュウトがサッと上からソノ名刺を取り上げて、そのうえ“ビリッ”と2つに破り、さらに破った2つを重ねて、また2つに破るという動作を繰り返して、彼の名刺はアッという間にビリビリの紙クズになってしまった。
「ちょ、ちょっと、なにすんのよっ」
彼の突然の暴挙に、あたしは声を荒げた。
すると彼は、あたしの思いもよらないような返事をしてきた。
「一子はオレのアドなんて知る必要ねぇ。どーせ、お前とはこれっきりなんだからな」
「…っ!?」
あたしは絶句した。