恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
「せ、センパイっ……」
声のしたほうに顔を向けると、そこには私服姿のあゆみセンパイがいた。
日曜日だし、学校の外なんだから私服なのは当たり前だけど、あたしにははじめて見るセンパイの私服姿がすごく新鮮に思えた。
デニムのダメージミニスカから伸びる長い足はスラッとしていて、長身のあゆみセンパイは、まるでファッション雑誌のモデルさんみたいに春アイテムを着こなしている感じで、その点、どう見ても服に着られているという感じのあたしとは雲泥の差だった。
「部活のとき、いつも、ほかの誰よりも一番最初に来てるわんこのことだから、約束の時間よりそーとー早い時間に来てるだろうとは思ったけど、ちょうどよかったよ」
「“よかった”ってなにがですか?」
あたしにはセンパイの言ってる意味が分からなかった。
……ってか、そもそもなんで彼女がココにいるのかも分からなかった。
“偶然、あたしに出くわした”って感じじゃないし。
「だって、わんこが井川くんと一緒にいたら、あたし、言いたいことが言えないじゃん」