恋うつつ ~“好き”というどうしようもないキモチ~
「そのときさ、まぁ、自分で言うのもナンだけど、あたし、井川くんとけっこーイイ感じだったし、“今度は1対1でデートしよ?”って言ったら彼もOKしてくれたんだよ」

ここまで言って、ちょっと悔しいって感じに、軽く下唇をかむセンパイ。

「あたしはさ……あたし、デートをOKしてくれた時点で、井川くんがあたしのカレシになってくれたと思ってるよ。それなのに、なんで……? なんで、わんこがヒトのカレシと映画なんか見に行くワケ?」


「あの……センパイ、なんであたしが井川センパイと映画に行くこと……」

ここまで言ったところで、彼女はあたしが言うのをさえぎって、こう言った、

「校門の前でアンタたちが話してるの聞いたんだ。あの日、部活のあと“一緒に帰ろ?”って誘ったのに、井川くん“用事があるから先に帰ってくれ”みたいなこと言うから、おかしいなと思って、少し離れたところからコッソリ彼のこと見てたんだ」

「そっか……そーだったんですね……」


「アンタ、わんこだよね? にゃんこじゃないよね? わんこのクセに“ドロボーねこ”なんかしないでよ。わんこはわんこらしく、ハァ、ハァ言いながらシッポ振ってりゃいいのよ」

その言い方がいかにも相手を見下したようたソレだった。

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