君に…
いったいどうしてやろうか、と僕は少しだけ考える。


そして。


泡だらけの君の唇に、僕のそれを重ねた。


間近で見るとくっきりとした二重まぶたがとても印象的な君の瞳がビックリしたようにまんまるに見開かれて。


そしてやわらかく目尻が下がり、閉じられていく。


続いてるキスに意識を持っていかれないようにしながら、僕は手の中の泡をそっと閉じた君のまぶたの上へとのせた。


そしてそっと絡ませていた舌を引き抜く。


泡のついていない手首で自分の唇を拭っていると、君からは不満そうなため息がこぼれた。


石鹸の味のキスは美味しくないって。


「うん。
僕もあんまり好きな味じゃないかも。」
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