Heaven
そうか、母さんはさくらと会うのは何年か振りなのだ。
驚くに決まっている。
『久しぶりね!疾風君元気かしら?可愛くなっちゃって!』
『元気ですよ!おばさん相変わらず綺麗ですね!』
母さんとさくらの世間話を背後に、俺は再び空を見ていた。
吸い込まれるような…暗い雲。
その先に待っているのは、まるで残酷な世界のようだ。
ふとベッドの上で充電されていた携帯を取り、何時か見る。
時計はもうすでに家を出る時間を示していた。
『は!?まじで?やべぇ!遅刻する!!』
急に慌て出す俺。
母さんとさくらはそんな俺に気にもとめず、会話を楽しんでいる。
着ていたグレーのスエットを脱ぎ捨て、タンクトップを着る。
そしてカッターシャツに袖を通す。
さすがに二人の前で下着姿にはなれない。
俺は部屋から二人を追い出して、学校に行く準備を続けた。