Heaven


もっと早く言えよ。
こう母さんに向けての愚痴を心の中で吐く。
当然聞こえていない。

準備し終え、部屋を飛び出した。


『今日朝飯いらねぇ!間に合わないし!ほら、さくら行くぞ!!』


俺はさくらの腕を掴み、下り慣れた階段を足早に下りていく。
さくらも一生懸命俺についてくる。


『何で朝からこんなに急がなきゃいけねぇんだよ!!』


もうあと少しでバスが来る。
これを逃すと、次にバスが来るのは30分後。
これを乗り過ごしたら、完璧遅刻だ。
皆勤賞を狙っていた俺にとって、とても嫌なこと。

だけどさくらもいる。
半分諦めていた。



…バス停に着いたのは、バスが行ってしまった数秒あとだった。
やはり間に合わなかったか。
がっくりと肩を下ろし、青いベンチに腰を下ろす俺。


『ごめんね…雅…』


目の前には必死に謝るさくら。
俺はさくらの頭を撫でて『もういいよ』と言う。

運命は残酷だ。
神様は俺たちで遊んでいるのだ…
空の上から…


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