Heaven
もしこの高校に通わなかったら、俺はキミと出逢っていなかった…
やっぱり運命はあるのかもしれない─…
『ご馳走様』と母さんに告げて、俺は階段を勢いよく駆け上って行く。
そして自分の部屋へと逃げ込む。
ぱたんと閉まるドアの音が切なさを誘う。
カーテンから覗き込む太陽の眩しい姿。
うっすらと明るい部屋の中で俺はただ立ち尽くしていた。
『はぁ…』
一人になると溜め息が零れ落ちる。
美加との別れが、心のどこかで引っかかっている。
でも不思議なことに、涙は出ないんだ。
どうしてだろう…?
違う。
出ないんじゃない。
わざと出ないようにしてるんだ。
泣いてしまったら、また自分が負けたようになるから…
俺はベッドに置いてあった携帯電話を手に取り、ベッドにドサッと座った。
メールボックスを開くと昨日までの美加とのメールを見ることが出来る。