Heaven
《好きだよ》
《愛してる》
《ずっと一緒にいようね》
美加から送られてきたメールたちは、全て思い出に変わる。
そして俺はその思い出たちを見て、また疑問に思うんだ。
『俺…なにかした?』
画面に向かって呟いた一言。
心当たりがないからこの言葉が口から零れ落ちる。
昨日までいつもと変わらなかったのに。
おやすみのあとに必ず言う、《好き》という言葉も、昨日もちゃんと言ってくれた。
なにが悪かったのだろう?
『まぁ…いいや…』
本当は気になっているが、美加に問い詰めるのも嫌だと思い、俺は美加との思い出たちを削除することにした。
たったボタンひとつでメールは消え、
たったボタンひとつで先へと進める。
こう考えたら少しは気が紛れる。
俺はベッドに横になり天井を見上げた。
『爺ちゃん…元気かなぁ…』
俺の視界に映ったものは、天井の壁を半分埋め尽くした、青空の写真だった。