Heaven
これは、爺ちゃんが撮った写真。
青空と白い雲が幻想的で、俺は一目見て惚れ込んだ写真の一枚。
まだまだある。
見たことのない鮮やかな夕日や─…
色とりどりの花─…
透き通る青い海─…
爺ちゃんが撮る写真はどれも綺麗で、爺ちゃんにしか現せない世界がある。
だから俺は爺ちゃんを尊敬しているんだ。
この青空の写真を見ていると、悩みなんてどこかへ飛んでいく。
『前を向け』と爺ちゃんに言われているようで、勇気が出る。
『頑張るよ、俺』
青空に向かって一言呟く。
すると、トントンとドアが二回叩かれた。
『はい?』
体を起こし、ドアを見つめる。
『雅、中に入っていいか?』
ドア越しから聞こえてきた声は、父さんの声だった。
『いいよ』
こう言うと、ドアが開き、隙間から父さんの笑顔が見えた。
そして部屋の中に入ってきて、満面な笑みを浮かべ、俺にこう言ってきた。
『雅、今からかっこよくしてやる』