アルタイル*キミと見上げた空【完】
つながるココロ

さっき、来た道をハァハァ、息を切らして私はまた走ってる。





監督が、


「すまん。私だけしゃべってしまったね。凱は、さっきまでここにいたんだ。父親の墓に長い間手を合わせてから、こんなの俺らしくないよな・・・ってつぶやいて、どこかに電話しながら走っていったよ」



「どこに?」


「もう一度、忘れ物を取りに行くって。今度こそなくさないようにするために。って」



凱・・・・!



「失礼します!!」



すれ違ったままはもういやだ。


もう一度私の気持ちを届けるために、


私は、どうしても凱に会いたい。


会いたいよ。





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