最後のラブレター
…ドキドキ
…ドキドキ…

…ヤバい。
緊張が止まんない。


バイクの教習は車と違い
教習の最初に指導員と
2人乗りをする事がある。

笹原先生の後ろに乗ると

笹原先生の温度が伝わって
また緊張が高まる

「始めは難しいかもしんないけど慣れて来たら、止まる時にこういう感じでクラッチを……カンカンカンって、最後まで下げて止まって下さいね?」

そう言って
見本を見せる
笹原先生。

かっこいな…

「はい!」


「はい!元気ですね!でも無理しないで下さいね?多分コケるから(笑)じゃあ…やってみよ!」


「はい!分かりました!」

とは言ったものの
自分でやると
すぐバランスを崩してしまう


「…あっっ!!!危ない」


―――ガーンッッ!

あっ…
やっちゃった…


「大丈夫!?痛くない!?」

笹原先生の
心配そうな目が嬉しかった

「大丈夫です!倒しちゃった…ごめんなさい」

笹原先生は
ニコっと笑って
首を横に振った

「そんなん気にしないで下さい、怪我がないならよかった!よかった!」


ヒョイとバイクを起こした先生は
力強く見えちゃって
勝手に照れていた
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