苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「どうって。
こちらで龍が倒れたって聞いたからっ」

「おやおや。
姫にそんな顔をさせる男なんて放っておいて、私の元にくれば良いのに」

正妻が隣にいるというのに、真顔で正妻の妹を口説くとはどういう神経をしているのか。
毬はあからさまに眉を潜めた。

「どうせ、あなたが酷使したんでしょう?」

「まさか。
龍星が私の言うことなんて聞くわけないじゃないか」

「とにかく、龍にあわせてよ」

「腕の良い医師に見てもらっているところだから、心配はいらないよ。それより折角内裏に来たのだから、ゆっくりお話でもしようじゃないか」

「しーまーせーんっ」


毬が龍星の元に辿り着くまでに、まだ、しばしの時間がかかったのであった。

Fin.
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