流星


会えなくなるわけじゃない。
だけどどうしても兄貴の存在がちらつく。
離れている間にいなくなってしまったら…

「勇人?」

「…わかってる」

「ん、行ってらっしゃい!」

これが別れじゃないんだ。
俺は兄貴の分まで生きていかないと。
生きて生きて、死んでいく両親を見送ってやらないといけないんだ。

「行ってきます」

だから進もう。
過去に囚われることも減らそう。
俺は俺でしかない。
もしこの命が流れる星のように一瞬であったとしても、それでも。

俺は、今を、生きている。

< 37 / 45 >

この作品をシェア

pagetop