流星


「此処に住んでるの?」

「ああ、一週間前からな」

「…ふぅん」

ん?なんか機嫌悪ぃ?
俺なんか変なこと言ったか?

「…なんか寂しいなぁ」

「は?」

「だってわたしになんにも言わないで引っ越して!寂しいなぁ…」

「……お前酔ってんな?酒臭ぇ」

「…酔ってないもん」

「酔ってる奴はみんなそう言う」

話し声が聞こえたのか、扉が開き、中山?中本?が部屋の中から出てきた。

「どうしました?」

「いや、こいつ酔ってて…」

「酔ってないってば!」

「……あちゃー、酔ってたのか…気付かなくてすみません。どこか行く予定でした?」

そこで、握り締めて財布を思い出す。

「あ、買い物…!」

「もう11時過ぎたから、スーパーも閉まってますよ」

「マジかよ…」

「ナカちゃん家で食べていきなよ!」

「なっ…お前な!」

「別に私は構わないですけど」

「ね!入った入った!」


半ば強引に押し込まれた部屋は、同じ広さなはずなのに、物が多いからか、多少狭く感じてしまう。

「で、食材使っていいのか」

「どうぞー」

「悪いな、助かる」

冷蔵庫から適当に食材を出していると、中…星奈がナカちゃんと呼んでいた女は「別にこっちで作って行っていいですよ」と言う。
なんつーか…あんまり女女してねえ奴だな。
お言葉に甘えて一式借りることにした。

< 42 / 45 >

この作品をシェア

pagetop