“俺様”大家の王国
奈央は、寝返りを打っていた。
こちらには背中を向けていたが、平和そうに肩が上下している。
腹式呼吸は、ばっちりできているようだった。
ただ、本当に眠ってしまっている事を除けば……。
「嘘だろ……警戒心無さすぎ」
ミエロは曲を中断して、頭を抱えてうんうん唸った。
苦悩した。強く弱い獣。野生動物よ。
お前はヒョウやチーターじゃないのか。
その辺の野良猫レベルの野生度なのか。
これじゃ、緊張感ゼロじゃん……まあ、ずっと怖がられたり警戒されたりするよりかはいいけどさ、うん。
でもまあ、目を閉じて静かな曲聞いて呼吸をリラックスさせてたら、無理ないかも。
そこまで、疲れてたって事か……。
ミエロは、あれこれ色々考えてから、奈央を起こさない事に決めて、毛布を持ってきてかけた。
彼女が起きていたら、きっと絶対こんな事はしない。
そしてミエロは、奈央が起きるまで、自作のヒーリング曲を弾き続けた。
……どうしてこんなにも自分は素直じゃないのかな。
それだけを、深く考えないようにしながら。