“俺様”大家の王国



奈央は、寝返りを打っていた。

こちらには背中を向けていたが、平和そうに肩が上下している。

腹式呼吸は、ばっちりできているようだった。

ただ、本当に眠ってしまっている事を除けば……。



「嘘だろ……警戒心無さすぎ」
 

ミエロは曲を中断して、頭を抱えてうんうん唸った。

苦悩した。強く弱い獣。野生動物よ。

お前はヒョウやチーターじゃないのか。

その辺の野良猫レベルの野生度なのか。

これじゃ、緊張感ゼロじゃん……まあ、ずっと怖がられたり警戒されたりするよりかはいいけどさ、うん。
 

でもまあ、目を閉じて静かな曲聞いて呼吸をリラックスさせてたら、無理ないかも。

そこまで、疲れてたって事か……。
 

ミエロは、あれこれ色々考えてから、奈央を起こさない事に決めて、毛布を持ってきてかけた。

彼女が起きていたら、きっと絶対こんな事はしない。


そしてミエロは、奈央が起きるまで、自作のヒーリング曲を弾き続けた。

……どうしてこんなにも自分は素直じゃないのかな。

それだけを、深く考えないようにしながら。



< 321 / 534 >

この作品をシェア

pagetop