“俺様”大家の王国







……………―――――――――。


浅い意識の底から、静かなメロディーが聞こえてきた。


まだ、ぼんやりとしか聞き取れない。

でも、ゆったりとした、優しい音だった。

何の音だろう?

少なくとも、携帯電話のアラームのような、けたたましい電子音じゃない。そんなものとは、かけ離れている。

まるで、子守唄のようだ。

時々ちらちらと、低い声が聞こえた。



誰かが、歌っている……。









「―――――? ………」


目を覚ました時、奈央は後悔した。

やらかした……横になれとは言われたけど、眠って良いなんて一言も言われていない。

これは、怒られる。

不本意だけど、失敗したのは自分だ。

まだ起きてる事には気付かれてないみたいだけど、とりあえず見付かったら謝ろう……。




奈央が人知れず毛布に包まって冷や汗をかいている間、



ミエロはまだ、歌っていた。


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