“俺様”大家の王国
(あ、思ってたより距離あるな……)
せめて、反対側の窓から出れば良かった。
つまり、窓二枚分、非常階段まで遠いのだ。
(でも、今更後には退けないし、誰かに見付かったらそれだけで大ごとになるっ……!)
ただでさえ、今日は校内に人がたくさんいるのだ。
皆、餅つきに夢中になっているとはいえ、
いつ建物の外側にへばりついている女子学生に気付かないとも限らない。
意を決して、私は横に一歩ずれた。
ずり。
……ぐらり。
(うっ……!)
あ……………結構、怖い。
予想していたより、体が重く感じた。
メイド服じゃないだけマシだったが、サイズの合わない白衣がはためいて、
今にも重心が崩れそうだった。
(これは、案外やばい……かな)