“俺様”大家の王国
「え? ああ、そうですね……。
えーと、じゃあ今から飛び降りるんで、ちょっと離れて下さい……」
「なっ!?」
十郎さんは短く叫ぶと、離れるどころか近付いてきた。
「……それじゃ危ないですよ」
「そうじゃなくて!
僕が受け止めますから!」
そう言うと、彼は両手を広げた。
「……十郎さん、それじゃ怪我しますよ?
落下するものって重力が加わるから、物凄く重くなるんですよ?
ビー玉だって十階から落としたら銃弾と同じ威力になるって……」
「だから!
つべこべ言ってないで、ほら!」
「………んもう」
十郎さんがあんまりうるさいので、大人しく従う事にした。
もし仮に、彼が私を受け止め切れなかったとしても、
花壇がちょっとめちゃくちゃになる程度だろう。
園芸部の人達には申し訳ないが、この際仕方ない。