“俺様”大家の王国
私が色んな意味で絶句していると、小林君はちょっと考えたように目線を泳がせてから、
シャワーのお湯を出し、何の前触れもなくこちらに向けた。
「ていっ」
ぶしゃーっ!
「わあああっ! 何するんですかいきなり!」
状況を把握するのに時間がかかった為、避ける間もなくお湯の噴射をもろに受けた。
火傷するほど熱くはなかったものの、服のままお湯を被ったことなど無く、
いやそれ以前に、知り会って間もない人間から、ここまで不可解な悪戯をされた事など無かったので、
軽くパニックになってしまった。
しばちゃんも興奮して、騒ぎ始めた。
お座りも解除された。
「ははは驚いてる」
「やだもう、びしょ濡れ! 信じらんない!」
「だって、君が悲しそうな顔したから」
「――は?」
小林君は、シャワーを浴槽の方へ向けて言った。